イカ釣り集魚灯にエコの波、佐渡沖で試験 でも臭う

もちろん照明が臭うわけではありません。
ソースは読売。http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090711-OYT1T00126.htm
以前に取り上げたように、集魚灯を利用するイカ釣り漁船では電力を大量に使用するため、燃費が非常に問題となる。そこで様々なアプローチが試みられているのですが、今回はLEDとは別の照明を採用して試験したとのこと。


 実証試験は水産庁の補助事業で、東京のNPO法人「グローバル・コロキウム」(有馬朗人代表)が実施主体。新型集魚灯は、すでに街路灯などで利用されている電磁誘導灯を応用したもの。計算上は、従来のメタルハライド灯(メタハラ灯)の2割の消費電力で同程度の照度が得られるという。
さて、「電磁誘導灯」とはなんじゃらと調べたところ、何のことはない、「無電極ランプ(Electrodeless discharge Lamp)」のことでした。発光原理は蛍光灯と同じで、電極を使用する代わりに内部にコイルを通してその電磁誘導で電子を移動させて水銀に衝突させて紫外線を発生させ、紫外線を蛍光物質が可視光線にする。
効率は高いが蛍光灯より高価だが寿命は長いらしい。
さてさて、日本では圧倒的に「無電極ランプ」「無電極蛍光灯」といった名称が一般的なのになんでまた「電磁誘導灯」なんて名称を使っているのやらと調べてみると、「"電磁誘導灯"」で検索するとヒットするのは中国製のモノ。
件のNPO法人について調べてみると、どうやら代表の有馬氏は立派な方のようだが、その周辺にどうも臭う人たちが…。「電磁誘導灯」の名称一つから不審に思って調べていったらあれ?何で山口組に繋がるわけ?なーんて結果に。金子奉義氏に繋がってしまったんですな。他にもサプリメント関係とかw
以前書いたように、白色光は海中で減衰する波長が含まれているので無駄だし、船上に設置する方式はメタハラ灯の場合50%が甲板で空に反射されて無駄。記事にある「2割の消費電力で同程度の照度」ってのは波長や角度という重要な要素を無視した言でしかない。
今回の試験ではメタハラより高い位置に反射板付きの「電磁誘導灯」を設置しており、無駄な反射を抑えるようにしているようだ。しかし、その角度がイカ釣りで有効な角度と一致していないように写真では見える。角度が浅い(水平線に向かう)と、イカがいる深さに届いたとしてもイカ釣りの仕掛けから離れた場所を照らしてしまうのでこれまた無駄になってしまう。
試験に協力した船長さんによると、メタハラの代用としてはかなり効果があるとのことなので、漁の時は角度を調整しているのかもしれない。簡単に角度が調整できるのだとすれば、深度に合わせた投光ができるのでメタハラより応用が利くだろうから、イカ専用にならずに済むのでより効率が良くなるかもしれない。

 第二佐光丸は現在、集魚灯90個のうち77個を新型に替えて操業。白瀬忠船長は「漁獲量はこれまでと変わらない。油代が高くなったときに助かるので、実用化を期待したい」と話す。白瀬船長によると、従来のイカ釣り漁では一晩の操業で燃油1000リットルを使うこともあり、その3分の1は集魚灯の電源確保に消費されるという。
しかし、LEDを使った実験でもメタハラとの併用だと漁獲高は変わらない、という結果は既に出ているhttp://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/nosui/files/LED.pdf
こちらは角度やら波長やらの詳しい解説。http://www.jfa.maff.go.jp/gyosen/five/siryou5-1.pdf
LEDだと消費電力は10%程度。「電磁誘導灯」の半分。メタハラとの併用だとLEDを取り付けた費用は2年で消却とのこと。LEDだけだと3年。
今回の試験では漁獲量と照度/消費電力は伝えられているが、設備・設置費用についての言及がない
どうも、件のNPOと同じ住所に存在する(w)「安心空間コンソーシアム」がLED以外の方法を模索しているのでは?と邪推してしまう。
安心空間コンソーシアムの構成http://www.spc-c.com/soshikizu.html

会 長 有馬 朗人 (財)日本科学技術振興財団会長
副会長 金子 奉義 (財)国際研修交流協会顧問
副会長 安田 浩  東京電機大学未来科学部情報メディア学科教授
副会長 辻村 清行 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ副社長
監査役 河合 和哉 松下電器産業株式会社 パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社 技術統括センター チームリーダー
この団体は別に照明器具関係のものではないんですけどね。
LEDに限定する必要はないので、「電磁誘導灯」での試験をすること自体には賛意も示せるのですが、何だか微妙に臭うわけです。