旧厚生省幹部連続襲撃

実に卑劣な犯行。特に家族まで犠牲にするのは容認できない。
このような事件では、ダミーの宅配便を用意するなどするのが普通の手段だ。
今回の事件にはいくつか疑問点がある。
60〜70代の人々を殺すにあたり、何ヶ所も滅多刺しにする異常なまでの「怒り」が見られるが、一方で犯人像は20〜30代と、元次官たちが関わった年金とは直接関係がない世代である。
もちろん犯人の親が年金で被害を受けた可能性もあるが、それにしては「怒り」が尋常ではない。また共犯者が存在する可能性もあり、年金被害者の身内と考えるのは難しい。兄弟や親類が共犯者という可能性あるが。

もう一つは犯行声明がないことだ。警察が存在を伏せている可能性もあるが、マスコミにも届いていないというのは珍しい。それとも報道ステーションには届いていて、また長崎市長射殺の時のように警察に通報せずに放置しているのだろうか。

犯行の全体像が杜撰であることと、刃物で刺すという行為に躊躇いがないという微妙な齟齬も気になる。躊躇いがないことをもってプロの犯行のようだ、と伝えているマスコミもあるが、それでは50mも続く足跡という物証を残すのは理解しかねる。

キーワードは「怒り」だと思うのだが、その怒りが年金被害によるものであるならば命だけではなく彼らの財産も対象になっていておかしくない。しかし、そのような報道もない。調度品を壊したり火を付けたりといった行為は音を出したり光を出したりするため犯行の発覚が早まる危険はあるが、この種の犯罪ではよく見られるものだ。
純粋に命を奪うことが目的と考えても、家族を刺してそのまま逃走している点が納得できない。

しかし、これらは視点を変えると整合性が取れてくる。日本には年金関係で裁判を起こしてそれら全てで敗訴している集団がいる。
彼らの一部の反社会性や習慣や犯行様態はこれらと合致する。裁判で負けた身内(必ずしも血縁や姻戚関係があるとは限らない)の怒りを自分の中で増幅させて外部に放出するという特徴も一致する。
犯行声明がないのはその怒りが社会的義憤や制裁ではなく怒りをぶつけること自体が目的であったと考えれば納得できる。
通常、日本人であればこのような犯行の後に生じる罪悪感を弱める目的で「大義名分」を求めるが、彼らはそのようなことはしない。
杜撰な犯罪も特徴の一つだ。
犯行後に金品を物色していたとの報道がしばらくなかったので彼らではないかもしれないとも思っていたが、どうやら物色の形跡はあったようだ。これでいくつもの特徴が一致した。
所詮は素人のプロファイリングだ。全くの的はずれである可能性の方が高い。だが、受け取れるはずだった年金を受け取れなかった人の怒りという今の報道では抜け落ちている部分を埋めたら見えてきたものがあった。
それだけは発信しておきたいと思う。