ピースボートが支援物資を足止め、横流し?

という噂がスポーツ紙やネット上で駆け巡っている。その中心点は福島県なのだが、放射線で交通が遮断されている福島での支援物資の輸送には様々な問題があることは当然の話で、集積所に支援物資が滞留していることは既に各所で報じられている。
ピースボートの疑惑については真偽の程は確かではない。いわき市が疑惑を否定する声明を出した、という話もあったので声明を見てみたが、この文章を以て疑惑の否定とすることはできないというのが私の判断だ。
いわき市の声明http://www.city.iwaki.fukushima.jp/topics/010791.htmlはそもそもピースボートの疑惑に対するものではなく、YouTubeに投稿された映像に対して出されたもの。しかも内容は『「全く物資が届いていない」との投稿がありました。これは、実態を正しく報道したものではありません。』とあるので、言い換えれば『ある程度の量は届いてるから「全く」とは言えません』ってこと。
しかしながら実際にいわき市にいる人間に不満があるのであれば、市はこのことを真摯に受け止めて対応し、現状を地元に知らせる必要がある。



しかし問題なのは、このような疑惑を受けたりその疑惑が真実と信じられるような団体が支援を担っていることだろう。もちろん、支援団体の第一義は支援を円滑に行うことであって疑惑や非難を避けることではない。しかし、そのような団体が支援作業に携わっていればそのこと自体が作業の支障となる。善意に支えられるこのような作業は、相互の信頼が崩れれば成り立たなくなるからだ。
ピースボートの実務能力が疑惑によって生じるデメリットをカバーするほど優秀であれば、文句はない。例えばどこからも誰からも疑惑の目を向けられないが無能な支援団体と、支援に対して有能な暴力団とであれば緊急事には暴力団のほうが「助かる」のだ。
暴力団が平素の行動によって社会に与えているデメリットを埋めるだけの支援を行い得るものであるとは全く微塵も思わないが、少なくとも緊急事の有用性という観点だけを抽出したときには上の比較は妥当だと思える。
福島での支援活動はどうなっているかと見れば、実際に作業が滞っていることに疑う余地はない。他の県でさえ滞っているのだから、福島での作業が困難であるのは当然だからだ。
しかし、この困難の原因が支援団体にあるとみなされた場合、被災者の心情はどうだろうか。これが放射能であったり余震であったり道路や通信手段の復旧状況に由来するものであればまだ救われるだろう。だが足止めや横流しという行為には「悪意」が感じられる。
悪意の存在が現在の困窮の原因であると少しでも感じるのであれば、不満はつのり鬱積も溜まっていく。結果的にそれらが避難場所での集団生活に悪影響を及ぼすこともあるだろう。
このような状態で悪意を感じ取れる「噂」が流れることがどれ程問題となるのかは、ハイチで「これらの感染源は国連の支援団」という噂が流れたことで社会の最低限の安定性すらもが失われた事例を見てもわかるものだ。問題は「噂」の真贋ではない。その噂によって引き起こされる問題の方なのだ。
したがってピースボートの疑惑によってどのような問題が引き起こされているのかを把握しなければならない。少なくとも、支援しようという意欲を削いでいることは間違いない。ピースボートそのものについての以前からの噂も、あるいは辻元清美の噂や言動も、その事実婚の相手のことも、マイナスに働くのは間違いない。ボランティアとして現地に赴いて、そこで他のボランティアと軋轢を生む前例には事欠かないのがピースボートでもある。
疑惑を受けたピースボートがこれから成すべきことはもちろん支援の円滑化に務めることでもあるが、何よりも支援の表舞台には立たず、裏方に徹して余計な「疑惑」や「噂」が被災地で生まれないようにすることではないだろうか。
少なくとも、支援物資の横流しなどという噂が生じた地域には支援物資を送ろうという気にはならないのが普通の人の感性だ。どれほど優秀な支援の実務能力を有していても、その存在が故に支援物資が届かなくなるのであれば、輸送体制が整っても送る物資がない、という事態にもなりかねない



さて、そんな噂の当事者となる人間をボランティア担当に任命した世界でも類例を見ない無能な宰相がいるらしいのだが、私は寡聞にしてそんな人を見ないようです。どうやら被災地の避難センターで20分ほどその人を見た、という「噂」があるようですが、真偽の程は定かではありません。

おまけ:
民主党は4月から新しい作業服を採用いたします。


東日本大震災を受け、民主党は国会議員や秘書が着用するおそろいの防災服をあつらえることを決めた。右腕には「民主党」の文字と、 赤い丸を2つ重ねた同党ロゴマークが入るデザイン。党総務委員会が議員に配布した「党防災服購入のご案内」によると、色は濃紺。
サイズはSSから5Lまで8種類を用意し、金額は5千円程度。4月中旬に配布する予定だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110331-00000088-san-pol

民主党が被災地での活動時には同党とわからない服装で、と通知。


民主党が、東日本大震災被災地でのボランティア活動に参加する党所属議員に対し、同党議員とわからない服装で参加するよう要請していたことが2日、わかった。

要請は、党震災ボランティア室が所属議員に出した「被災地支援活動へのご参加のお願い」と題したボランティア募集のチラシに記載された。服装の注意欄に「個人参加のため衆・参議員防災服、民主党表示のあるものは不可」とある。

http://news.goo.ne.jp/topstories/politics/745/15022034234347d3624d4583f0ad9502.html

どうやら新しく誂える防災服は実際に使用されないもののようです。