ジクロルボスインゲン。

10月12日に被害が出た、中国産のジクロルボスインゲン。

ちなみにジクロルボスは袋の中に1.725g入っていた(調理済みのインゲンも6900ppmと仮定)ことになる。ラットの経口半数致死量で計算すると、この量は体重約100kgの人を殺す可能性が50%ある。
50%の確率で死ななかった場合も重篤な状態となり、後遺症も残るだろう。

中国が他国と違うのは、食料に平気で劇物を混入させたり発ガン性物質を混入させる点にある。他の特徴としては「食用ではない物質を混ぜる」物もある。
食用ではない物質の代表例はメラミン。他にジエチレングリコールも使われたが、これは歯磨き粉に使用されたのだし、オーストリアがワインに混入させたという他国での前科がある(ただしジエチレングリコール劇物・毒物指定されていない)。
他には植物油の代わりに鉱物油を使用したものがある。

劇物を意図的に混入させない場合でも、食用油を側溝(ドブ)の廃液から再生するという暴挙に出た結果、これを使って作られたインスタントラーメンを食べてモンゴル人の大学生二名が死亡している。
他に発ガン性物質として使用が禁止されている着色料を使った例は枚挙にいとまがない。
着色料以外でもウナギにマラカイトグリーンシラウオにホルマリンと、酷いモノである。

日本でもホルマリンは養殖フグに使用されて問題になっている(水産庁が使用禁止を通達)が、これはフグに付く寄生虫の駆除目的で、フグそのものには残留しないようにしているらしい。ホルマリンの散布は周辺の生物に大きな影響を与えることが主要な問題である。また、ホルマリンを使用していない養殖業者にとってはホルマリン使用という風評被害が発生している。
シラウオの場合は目的が鮮度維持なので、間違いなく魚に残留している。なにしろ歯ごたえが「ゴムのよう」と言われる程身に影響が残っていたのだから。

甚だしきは「卵の殻に穴を開け、中身を取り出して中に水を詰めて売った」というものだ。嘘のようだが本当の話。
これは命に別状がないから良心的な方ではないか?と思うのは清潔な水に囲まれている日本人の感覚である。
中国と言うと大河・黄河がある国との印象もあるだろうが、実際にはこの黄河は工業や農業の取水の影響で年に何度も「河口まで川の水が届かない」状況になっている。その上浄水施設数は少ない。日本の都市河川は汚いことで知られているが、黄河下流に行けば行く程日本の都市河川など清流に思える程汚染されている。しかも汚染は重金属や様々な化学物質が原因。
黄河が流れ込む海域で漁をしている人々が、ここで獲れた魚を食べたくないと言う程の汚染である。

また、こんなことを実際にするだろうかとの疑問もあるが、そもそも牛乳を水で薄めてそれをごまかすためにプラスチックの原料を入れる国である。また、人件費が極端に安いことも忘れてはならない。

ここまで来ると、もはや日本は中国の砂漠化や環境汚染を抑止する意味でも日本の消費者を守る意味でも、中国からの食料の輸入は大幅に制限すべきではないだろうか。
中国にも実に良心的な(商売人としても)人はいる。代々受け継いだウナギの養殖場マラカイトグリーンを使ってしまったから、全く別の場所、養殖には使用されたことがない真っさらな土地を開墾して新しく養殖場を作って安全なウナギを供給しようとする人もいる。
このようなところはある程度輸入を認めても良いだろう。もちろん、検査は厳格に行わなくてはならない。中国でも優良企業を貶めるためにライバル企業に毒を盛ることはある。

少し話が逸れるが、学生運動時代に頻繁に行われた「内ゲバ」は、革マル派が「他派閥の力が削がれることが自派閥の拡大となる」という思想の下に他派閥を暴力で襲う方針から拡大したものである。
似たことは本家の中国でも行われており、それが大衆運動にまで拡大したのが「文化大革命」である。
文化大革命は単なる中国国内の混乱や共産化へのステップではなく、中国政権内部の権力闘争が中国全土に拡がったものである。要するに中国全土を覆う程の大規模な内ゲバが、文化大革命である。
自身の地位を高めるために他者を貶める、というのは社会主義共産主義では資本主義より激しく行われる。最終ステップは対象の死。
これは文化大革命スターリンによる粛正、ポルポト派の大虐殺、連合赤軍の総括という名の惨殺、北朝鮮での政治犯(これにはあらゆる"資本主義的悪徳"が含まれる。具体的には密輸から売春まで)の処刑を見ても明らかである。
一方自由・資本主義下では直接的な個人の死には結びつかない。レッドパージにしてもGHQによる日本統治下の公職追放にしても、法と「人的資源」の保護は守られる。結果として自殺などに結びつくことはあるが、言論の自由の下ではどれほど社会的地位が剥奪されても出版などにより自身の主張を展開する場は与えられる。

韓国でもこの自由はない。そもそも憲法で保障されていない上、大統領が変わるとその主義で自由の解釈が大幅に変更される。現在の李明博大統領になって、前大統領時代には抑圧されていた非左翼の主張を主流にしようとしているがそれも次の大統領の時代にどうなるかは分からない。
韓国は現在も朝鮮戦争を「休戦」しているだけであって戦時下にあることを考えると仕方がないが、韓国の憲法の「大韓民国が半島の唯一の正統国家」という文言を改正しない限り休戦から終戦にはならないだろうし、統一は韓国民自身が嫌がっているので期待できない。

中国と日本の問題としては、この食糧問題だけではなく中国の核兵器の所有や軍備の拡大がある。ODAの打ち切りと通商の制限、さらには人的交流の制限(中国は日本やアメリカの重要技術を不法に持ち出している。これは韓国も同様で韓国国民はアメリカから機密情報を持ち出した人間に家を買い与えた。)、

などど書いていたら、今度は中国の乾燥全卵からもメラミン検出とのこと。既に食料供給国としては全く信用も出来なければ、食料供給国として扱うこと自体が中国のためにならない事態になっていると言わざるを得ない。

中国が水資源を奪っている東南アジア各国と緊密に連携を取った方が確実に良い結果を生む。

中国の食料を輸入するのは、最早核兵器をジワジワ発射されているのと同じ状態である。
国民の健康と生存を第一義とするのであれば、中国との通商は極限にまで制限すべきだろう。