白砂青松の危機…堤防・護岸不在「自然の砂浜」わずか7%

日本全国で砂浜がなくなっているのは知っていたが、ここまでとは思っていなかった。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20081129-OYT1T00459.htm

数年前に静岡に旅行に行き、ふらふらと「久能山東照宮」に辿り着きました。海岸を見て愕然。浸食が激しく、ほとんど崖同然になっていました。

実はここ、中学の修学旅行で来たことがあるのです。しかし、私の記憶はリファレンスが足りないので着いたときはそのことに気がつきませんでした。九十九折りの登り口に入って初めて、来たことがあることを思い出したのです。
そして、砂浜の悲惨な状態と記憶の中にある砂浜との違いのあまりの大きさにまたも愕然としました。
一学年6クラスの人数で走り回った砂浜です。物凄く広くてなだらかな砂浜でした。海岸線には消波ブロックもなく、自然そのものだったのです。それがここまで変化してしまうとは…。
現在では海岸線にずらりと消波ブロックが並んでいます。

東照宮下のお食事処で話を聞いてみると、海岸の西の方で何かを作ったらあっという間に浸食が始まったとのこと。ちょっとした潮流の違いが影響したようです。
美保の松原にも行きましたが、ここも消波ブロックが並んでいます。テトラタイプと四角いブロックタイプがありますが、ブロックタイプは完全に露出していました。


静岡では潮流の変化で砂浜が削れてしまう対策として、砂が余っている浜から足りなくなっている浜へと砂を運ぶチューブを設置するようです。そこまで人工的にしてしまうのもどうかと思いますが、少なくとも中国から砂を輸入するよりは良いでしょう。

どうやらコンクリートの材料として砂を取りすぎたために海岸に供給される砂の量が減ったことが最大の要因だそうです。あとは人工物の設置。
砂浜は生物が生息する環境としては厳しい世界です。表面は風で簡単に移動し変形し、波打ち際は潮汐で移動し、夏場の表面温度と湿度は砂漠並になります。しかし、そんな環境でも生息している生物も多く、それらの多くは砂浜に特化し、他の環境では生息が難しいのです。
7%という調査結果は日本の環境破壊の凄まじさを表していると同時に、生物多様性の危うさも示しています。砂浜に行く機会があったら、ゴミを拾ったりするよう心がけたいものです。