USBメモリで感染するウイルス猛威

大学やらビックカメラのフォトプリント機やらにまで感染を拡大しているUSBメモリ等を感染源とするウイルス。こいつが暴れてるというニュースとしては丸一年以上遅れているわけですが、ウイルスの流行は普通の人はどうやって知るのか、という話。
ウイルスは予防することが第一で、感染後は駆除が第一(感染したファイルを検体としてウイルス駆除ツールメーカーに送ることもある)。十分な予防をするためには、ウイルスの発生を知るか定期的に、特に自動でウイルス定義ファイルを最新の物にしておく必要がある。
ウイルスの発生を知る、という意味では報道やメールなどで準強制的に知らせることが大事だ。しかしメールは登録が必要なので元々ウイルスの脅威に敏感な人にしか情報が届かない。
ウイルスの情報を一番に与えなければならないのは、ウイルスの脅威に対して鈍感な人たちである。そのための媒体には一般マスメディアの報道は必要不可欠だろう。ところが、一般マスメディアはほとんどの場合感染が拡大してからしか報道しない。
USBメモリなどによるウイルス感染が広まっているのに、そのことについてはほとんど触れない。新聞ではある程度報道しているが、TVでは触れていない。対策もあるのに、触れていない。今では新聞を読んでいない人間も多いことを考えると、TVが触れないのは理解に苦しむ。
地上デジタル化をあれだけ宣伝しても認知度が低いのだからあまり意味がないのかも知れないが、ここまで触れないのは一種異常ですらある。
ウイルスに備えるのは基本的に法人であれ個人であれ自己責任なのだから、TVが報道するのは難しいのかもしれない。特定のウイルス名を出すと、そのウイルス名を使っているアンチウイルスメーカーの宣伝になるという問題もある。と言うか、アンチウイルスメーカーは大手だけでも統一ウイルス名を使って下さい。
ウイルスが国を麻痺させることだってある。韓国では(割れ物のOSばかり使っていてセキュリティホールが開いたままだったりISPが数だけはあるけど乗っかっている大本が少なかったりしたという下地があったのだが)国内のほとんどで接続不能に陥ったこともある。
なぁに、日本は大丈夫、などと考えてはいけない。銀行のATMが数日機能麻痺したり、航空会社の発券処理が麻痺したり、株取引のサーバがダウンしたりした事例はいくらでもある。
ウイルスが特定の企業を、あるいは日本の金融の大本を攻撃するようになっていた場合、上記のような事例を鑑みると確実に安全である、とは言い切れない。
まして、個人の情報についてはさらに危険である。今日もキーロガーを仕込まれて金を盗られたというニュースがあった。キーロガーを仕込むために対象の家に不法侵入したという馬鹿な話だが、これとてキーロガーを検出するようアプリを使っていれば防げたかもしれない。
パソコンとネットワークによって、私たちの社会は飛躍的に便利になった。便利になったらなったでそれを悪用する人間がいるのも世の常である。
だからこそ、マスメディアは振り込め詐欺やカード詐欺の特集だけではなく広く危険を啓蒙する義務があると思うのだが、それは現状では期待できないようだ。
マスメディアの鈍感さは様々な形で発露するということなのだろう。