"ら"って何よ


沖縄返還「密約」の文書不開示は違法、元毎日記者ら提訴
 1972年の沖縄返還を巡る日米交渉の「密約」に関する文書が情報公開請求で不開示とされたのは違法として、元毎日新聞記者の西山太吉さん(77)やノンフィクション作家の澤地久枝さん(78)ら25人が16日、国に不開示決定の取り消しなどを求める訴訟を東京地裁に起こした。(略)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090316-OYT1T00936.htm
この手のニュースで気になるのが、"らn人"という表現。何で全員の名前を出さないのだろうか。ちょっと調べればわかる物もあるが、いくら探しても見つからないことも多い。
たとえば以前に文書開示請求をしたメンバーは以下の通り63名らしい。
飯室勝彦、池田恵美子、石塚聡、岩崎貞明、植村俊和、魚住昭江川紹子大田昌秀大谷昭宏、大橋真司、岡本厚、奥平康弘、桂敬一加藤剛、加藤義春、金平茂紀我部政明苅田實、北岡和義、清田義昭、小中陽太郎是枝裕和斎藤貴男佐野眞一澤地久枝篠田博之、柴田鉄治、神保哲生、臺宏士、高村薫、竹田昌弘、田島泰彦、筑紫哲也、辻一郎、土江真樹子、道面雅量、仲宗根悟、仲本和彦、新崎盛暉、西村秀樹、西山太吉原寿雄、春名幹男、藤田博司、藤田文知、松田浩、松元剛、丸山昇、三木健、水島朝穂、宮里邦雄、宮里政玄、宮台真司元木昌彦、森潤、森広泰平、山口二郎、由井晶子、吉原功、米倉外昭、米田綱路、利元克巳、綿井健
…何だか一つの傾向に傾いている人が多いですね。
それはともかく、この"らn人"にはいつも歯痒いというかもどかしいというか、仙台弁で言う「いずい」気分にさせられる。
団体名が明記されていれば検索で探すこともできるので、最低限そのくらいのことはしても良いのではないだろうか。最悪の場合は判決が出た後で判決文を探し出して"らn人"を調べることになることも多い。
こんなことにこだわってる自分の方が変だとも思うが、気になるのだから仕方がない。
新聞の場合は文字数制限があるから全員の名前を出せないのはわかるが、ホームページなら文字数制限はないのだから載せれば良い。新聞の売り上げが落ちて、HPで課金することを考えるなら「紙面より情報が多い・豊富」というのは売りになると思うのです。
現在は新聞用のデータをHPに落としているだけなのでこのような「売り」はないし、逆に縦書きのデータをそのまま流し込んでいるせいかURLが全角文字だったりする弊害が生じている。
無料で配信している現状のHPにそこまで求めるのは難しいかも知れないが、読売の場合は過去の写真とか動画もコンテンツとして載せているくらいだから先行してHPの記事量を増やすくらいできるのではないかと思う。
もちろん情報とはただ増やせばいいと言う物ではないし、朝日新聞のHPのように一つの記事を分割して載せるようなやり方は意味がない。
朝日新聞が記事を分割しているのはもしかして印刷することを前提にしているのではないか?と思っているのだが、そうだとしたらかなり悲しい状態だ。それとも携帯で見ることを考慮しているのか…。
新聞に限らないが、文章メインの媒体ではその書き方に作法がある。それは主に印刷や見栄えや読みやすさのための物だ。しかし、HPの場合フォント、色数、一行の文字数、一画面で見える文字数、表示される大きさは受け手によって異なる。新聞の作法はあまりこだわっても意味がないだろう。
21インチの画面でHPを見ている人もいれば、ネットブックの横長画面で見ている人、携帯のフルブラウザで見ている人もいるのだから。

ちなみに元毎日新聞記者がなぜ「元」なのかというと、この密約を既婚者でありながら外務省職員の女性(こちらも既婚者)と肉体関係を持って不法に持ち出したことが知られて、日本中から非難の嵐を浴びて退社したから。もちろん不法だったので逮捕・起訴された。
毎日新聞はこのセックススキャンダル不買運動が起きて発行部数が激減。…学んでないなぁ。
ところで、これに関連するのがこれ。

沖縄返還密約「政権取ったら全部出す」民主・岡田副代表
 民主党岡田克也副代表は14日、大阪市で講演し、1972年の沖縄返還の際に日米両政府間に存在したとされる密約に関し、「政権が代わったら全部出す」と述べた。(略)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090314-OYT1T00822.htm
で、この記者が「密約」の証拠を伝えた相手が当時社会党横路孝弘議員。現・民主党衆院副議長。過去にMPD・平和と民主運動呼びかけ人や平成維新の会顧問をやっていた人なのだが、MPDの現在の姿、市民の党同様に国旗国歌を容認したり否定したり主張は一貫していない。
融通の利く人とも言える。

要するに沖縄返還密約は37年の時を経て、西山太吉社会党西山太吉民主党という形で復活したわけです。
しかし、この密約は既にアメリカの外交文書として公開されているわけで、「公開請求」は「情報の開示」が目的ではないことは明白なんですね。
個人的には日本も機密文書は一定年数経過後、関係国・団体・個人の了解が得られれば基本的に公開するようにした方が良いと思っています。
ただし、こういった考え方は大反対。


岡田氏は「隠しているものは全部出す。どれだけウソを言ってきたか分かる」とも語った。
ソースは同上。
全部出した場合に「ウソの責任」は当時の政権である自民党が取ることになるわけですが、「全部出したことによる影響への対処」はその時の政権、つまり民主党が取ることになるわけですが、そこまで考えているのかどうか。