近所のツタヤが使えなくなった。

いや、普通の人がそう借りるものでもないジャンルが好きだから、その店から淘汰されてしまっただけなんですが。
考えてみたら、レンタルビデオだった時代はTVシリーズはほとんどなく、まして海外物のTVシリーズはほとんど無い状態。アニメも発売総数が少なかったのでレンタルに回らなかった。
現在はTVシリーズに海外TVシリーズにアニメに韓流…。映画のスペースが圧迫されている。さらに今はDVDとブルーレイの過渡期でさらに圧迫。
正直、ほとんど動いていない韓流コーナーはいらないんじゃないかと。レンタルトップ20に並んでいたD-WARSなんて、20本あったのに一本もレンタルされていなかったし。
DVDになってパッケージのサイズが1/3くらいになったおかげでできた余裕なんて完全に食い尽くされている。こうなると、街の本屋さんの品揃えが陳腐化して、欲しい本がどこに行っても手に入らないという状態に近い。
本屋の場合はここに古本屋という受け皿があり、ジャンルはともかく発売時間がずれている本が並んでいる。ある程度時間が経過すると店頭から消えるが、それでも本の場合は様々な流通経路があるためにちょっと昔の本でも入手可能なことが多い。
これには日本人の本好きも貢献していると思われるが、映画(DVD)の場合は日本人もそこそこ好きなはずなのに流通が滞っている。
とはいえ、流通も多くはネットに頼る方向に進むのだろう。
たとえばアマゾンでDVDを探すと、大抵のタイトルは入手できる。欲しいものを全て購入したらあっという間に破産するが。
したがってレンタルに頼る事になるのだが、レンタルタイトルはいつの間にか店頭から消えていることが多い。「来週はこれを借りよう」と思っていたらその週には消えていたり。消えたタイトルはどこに行ってしまうのだろうか?それを知っても入手はできないが。
よって、レンタルもネットに頼ることになる。同じツタヤがやっているサービスだが、これがまた便利。現在月に8枚の契約で借りている。延滞料金がかからないというツタヤディスカスのシステムは、「返却しなければ次のタイトルを発送しない」→「発送料金が発生しない」。「延滞が進めば本来借りられるタイトル数見ることができない」→「浮いた契約料金分の経費が儲かる」等々という面白いビジネスモデルで構成されている。
もっとも、ツタヤディスカスで借りている人々が一斉に延滞したり逆に制限枚数ピッタリ借りた場合でも儲かるのか、といった疑問はある。しかしパッケージで保管していないので(DVDサイズのフォルダに入れて送ってくる)保管料はパッケージ単位で計算した場合、レンタル店に比べると相当安くなっているだろう。
結構考えられ、しかも思い切った仕様でビジネスをしている。そもそも店頭でレンタルする場合、パッケージはタイトルがレンタル中でも非レンタル中でも棚に並んでいるわけで、実に非効率的。ツタヤとしても頭を悩ませていた可能性はある。そうすると、パッケージの排除というのは自然な流れなのかもしれない。
店頭から消えたタイトルの一部がツタヤディスカスに流れているんだろうとは思うが、それで完全に吸収できるわけもない。それらを入手してさらに資本があればツタヤディスカスモドキはやろうと思えば可能だろう。古物取り扱いやレンタルそれ自体やビジネスモデルに法的な縛りがあったような気もするが…。
どちらにせよ、現状ではもはやツタヤ店頭に行くことももはや無いだろう。実際、借りたかったタイトルを2本手に取っていたのだが、他の目的だったタイトルが無くなっていた時点で意欲をなくし、棚に戻して帰ってきたからだ。

本の世界でも本屋毎の独自色を出すことは難しいわけではなく、実際そうやっている場合もあるが、レンタルの場合は本屋でものを買うのと違って「返却」というもう一度の手間が必要となる。レンタル店が独自色を出してもそれほど集客にはならないだろう。
その意味ではツタヤディスカスの出現タイミングや発送・返却方法は絶妙だった。…個人でDVDやCDを送る場合は中身が見えるようにしないと郵便料金が普通料金になってしまった(数年前の話なのでいまはどうなんでしょ?)が、ツタヤディスカスはそのあたりはクリアしているのでしょうね。
扱うタイトルが増えるにしたがって、販売店でもレンタル店でも品揃えで陳腐化が進む、というのは賞味期限や消費期限がないものを扱う業界であれば今後も増えていく。ゲームセンターで5年前のタイトルで遊びたい、と思ってもそれは簡単にはできない。そういった現象が様々な場所で見られるようになるだろう。それらをカバーする存在、事業はできるのだろうか。できることを切に願う。
ツタヤの会員カードは今後、単なる「Tカード」として余生を送ることになりそうである。
あ、Tカードって期限がありましたな。期限が過ぎたらさようなら、です。