民主党やっちまった

ええ、ダム反対の話です。石油、淡水、リンと世界的な枯渇が予測というか確実視されている状況で、治水と貯水の目的であるダムの建設反対を述べてしまいました。
いや、九州の水を貯められないダムは論外ですよ? しかし、今後日本が食糧自給率を高めるためには絶対に淡水の確保と継続的利用環境は必要なわけです。まあ食糧自給率以前に飲料水や工業用水にも必要ですが。
日本の場合、工業用水は有り得ないリサイクル率を打ち出しています。ほとんど宇宙空間での水再利用ですか?と思うほどの利用率です。
通常河川でも異常なレベルです。今年も鶴見川がBODでワースト5の栄冠に輝きましたが、これは当たり前です。
渇水期だと70%以上の再利用水(つまり下水の浄化済み水の放流)ですよ。川を流れている水の70%以上が一度何かに利用された水を人間の手で浄化した水ですよ?もっと高度な施設やヘドロの除去が行われればBODももっと良い値を出すだろうに。このことを2ちゃんねるに書いたら「それはどこの星の話だ」とのレスをいただきましたが、私も最初に知った時は同様の感想を抱きました。ただしここまでピッタリの表現はできませんでしたが。レスいだだいた方に感謝します。
まあ施設や設備はそう簡単には最新のものを導入できませんが、そんな鶴見川ですら鮎の遡上、それを狙ったスズキの遡上、また天然ウナギの生息が確認されています。
日本の河川というのは町田〜横浜などという都市内を流れる短い河川でも生物を育めるのです。これは世界に誇れる事なのです。
一方、淡水の利用に当たっては西日本を中心にほとんど毎年のように問題が起きています。西日本以外でも、暖冬の場合は雪解け水の不足でどこでも水不足が問題になります。
暖冬で雪が少なく、かつ西日本で渇水という事態が生じた時、この状況を打開できる唯一の方策がダムなのです。もちろん、ダムからの放水による灌漑は地域限定ですが、それでもある程度一助にはなります。
現在大学生以上の年代の方はオーストラリアには大鑽井盆地がある、と習ったはずです。現在の地理でどう教えているかは知りません。さて、大鑽井盆地というのは地上の土などの重みで地下の水に圧力がかかり、地下水が自噴する地域だと習ったはずです。
ところで、オーストラリアではここ10年ほど干ばつにあえいでいます。矛盾していますね?つまり大鑽井盆地からの地下水取得は需要に追いついていないのです。枯渇状態なのです。
この地下水の枯渇が世界各地で起きているのは何度か取り上げています。日本の自給率の低さを支えているのは(変な表現ですが)、世界の地下水の枯渇を招くほどの輸入過多なわけです。アメリカの中央穀物地帯には大河川はありますか?ありませんね。この地域では数千年以上の古い地下水を汲み上げて穀物を栽培しているのです。その地下水量はすでに半分以下になっています。
半分なら当分大丈夫じゃない?と思うかもしれませんが、人間は水平方向への移動は数百万キロでも平気でできますが、垂直方向へは6km程度ですら快挙なのです。アメリカ大陸中部のオガララ帯水層の残り半分を汲み上げるためにはそれまでとは全く別次元の経費がかかるのです。アメリカのオガララ帯水層に依存した穀物栽培は、あと30年程度で限界を迎えます。
同様に、黄河、長江を利用した穀物、農産物栽培も限界点を迎えます。
食糧自給率を維持するためにはダムは必要不可欠なのです。今後30年無駄だとしても、その後の100年、必要不可欠になるのが淡水の獲得なのです。
九州の使えないダムの凍結は賛成です。使えないのだから当たり前です。しかし、国家百年の計などという陳腐な言葉ですら、ダムは大きな意味を持つものになる世紀に入っているのです。
民主党がこれを無駄と切り捨てるのであれば、日本人に飢えて死ねと言っているに等しいのだと言うことも知っていただきたいものです。