民主党のあやうさ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090726/elc0907260134001-n1.htm


【09衆院選】教員免許更新制度廃止も 「民主政権」日教組に配慮
 民主党が、8月30日投票の衆院選後に政権の座についた場合、今年4月に導入された教員免許更新制の廃止を含めて、現行教員制度を抜本的に見直す方針であることが25日分かった。免許更新制については、同党を支援する日本教職員組合日教組)が廃止を強く求めていた背景がある。

 教員免許の更新制は、安倍晋三内閣時代の平成19年6月に成立した改正教育職員免許法に基づいて導入された。教員の質の維持・向上のため、教員免許の期限を10年とし、免許更新のための30時間の講習受講を義務付けた。

 だが、日教組は、「教員の時間的な負担が増す」などとして、廃止を求めてきた。日教組出身の民主党の輿石(こしいし)東(あずま)参院議員会長は5月16日、山梨市での山梨県職員組合の定期大会に出席し、「(政府・与党は)教員免許更新制度などとふざけたことを言うな」と述べた。さらに、今月25日には、甲府市で演説し、「政府は先生の身分にまで口を出す必要はない」と述べた。
後略)

民主党の過去のマニフェスト、つまり2005年のものを見ると、ずいぶん違うことがわかる。http://www.dpj.or.jp/news/files/BOX_0062_kaku.pdf(2005民主党マニフェスト 政策各論)
  • 教員の指導力向上とやる気を引き出すための人事改革に着手します。
  • 定年退職者の大量発生に伴う新規教職員の採用・登用にあたっては、実践的な指導力を重視した採用や、社会人採用を促進します。
  • 教職員人事、予算執行、教育内容に係わる権限を、設置者である基礎自治体及び学校現場へ移譲します。同時に、学校評価制度を導入するとともに、保護者・地域に対する説明責任を課します。(略)不適格教員対策などの実効性を高めるためにも、これら現場主権と説明責任の確立が不可欠です。
最初の二つは、能力のない教員はいらない、という趣旨。最後の一つは能力のない教員対策の実効性を高めるために、地域レベルで対応するシステムにするというもの。
地域レベルでの人事は利害関係とか人間関係が絡むので実効性を高める効果があるかは疑問だが、2005年の時点では民主党が不適格教員が存在し、対策が必要であることを認識し、人事改革や実践的な能力を有した採用が必要だとも認識していたことがわかる。
ところが、今年の対応は真逆となっている。これは民主党の支持団体が各種労組となっており、そこに日教組が含まれているから起きた現象と言える。
日教組と言えば教育が異常になった元凶であり、その異常さが国会で取り上げられて「教育の正常化」が行われるようになった原因である。
日教組の問題は他にも色々あるが、基本的に左翼思想であり、平等という言葉が大好きで、思想的に近しいものであれば応援し支持する思考停止が最大の問題。いや、最大の問題は「日本という国が嫌い」ということだろうか。
その反対に韓国や中国や北朝鮮が大好きで、北朝鮮による日本人拉致が明らかになった時ですら日本人とは思えないコメントが並んだ。
北朝鮮の国家犯罪は過去の日本の朝鮮統治で相殺される」
「いたずらに拉致問題や不審船問題を取り上げ、朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)にたいする敵意感を倍増させている。真相究明・謝罪・補償を訴えることは被害者家族の心情を考えれば当然のことだが、そこで頭をよぎるのは日本の国家が1945年以前におこなった蛮行である。自らの戦争加害の責任を問わずしてほかに何が言えようか」

北朝鮮の主張そのままである。ちなみに日教組北朝鮮の教育団体とも交流があったし、「金日成誕生60周年」があれば委員長が訪朝して、北朝鮮の教育制度を絶賛したりしている。

ところで、2005年のマニフェストではまともなことも書いている。

希望者全員奨学金制度を実現します。
希望しない者にも一律に金をばらまくより、かなり良い。
これが一律給付になった背景には、日教組の「悪平等」があったと考えるのは邪推だろうか

さて、自民党は官僚とべったりだ、官僚の言いなりだ、と言い続けてきた民主党だが、このように民主党は労組の言いなりということを露呈してしまった。
官僚とべったりで言いなりなのは問題だが、労組とべったりで言いなりよりはかなり良いと言える。
官僚は成果と予算獲得では各省庁や部署間の対立があるが、それら以外では基本的に利害対立はない。もちろん足の引っ張り合いや派閥はあるが、それは利害対立ではないので基本的に問題にならない。弊害は大きいが。
弊害があるので、べったり言いなりは止めてもらいたいのだが、すぐには難しいだろう。国会議員の役割は法律の作成と予算の承認なのだから、直接それらに携わる人々と関係が深くなるのはあるいみ当たり前だからだ。
適度な距離を保つ、という節度を自民党には要求したい。

翻って、労組はそれぞれが利害対立を生じる団体である。高速道路の料金を安くすれば、航空・鉄道関係の労組が損をする。ガソリン・鉄鋼関係の労組は喜ぶ。このような場合、どの労組の要求を呑むかというジレンマが生じる。単純に構成人員で選べば対立労組が支持団体では無くなる危険があるからそんなことはできない。適当な落としどころを探ることになるが、そんなやり方では国益にかなった政策を執れるわけがない。
また、日教組の主張が通らなくなれば、全教組(実質的な共産党支持)が勢力を伸ばす。全日教連(自民党支持)も勢力を伸ばす。民主党からすれば、利害対立・思想対立団体が力を付けることを危惧する日教組の要求を拒否することができなくなる。今回の意思表示はまさにこれが具体化したものだ。
アメリカでもブッシュ(息子)時代は石油関係の主張に雁字搦めになって京都議定書を批准しなかったという過去がある。特定の利益団体とつながりが強くなると正しい判断ができなくなるという好例だろう。
民主党が同様の判断ミスというか、労組の言いなりになった結果間違った方針を打ち出す可能性は、官僚べったり言いなりに比べると遥かに高い。
中には良い方向に向かう場合もあるだろう。TVでは地上デジタル受信時に必要なB-CASカードが独占状態にあることが問題となっており、カードの代替方法が示されている。天下り先の確保目的で官僚が拒んでいたこういった問題はスムーズに解決される可能性がある。
拙速に事を運ぶと、エンコード・デコードの方法が公開されてしまって問題になる場合もあるだろうが。

様々な問題が好転するか悪化するかは労組がどのような要求を出すか、そしてそれを民主党がどう捌くかに依拠することになるわけだ。そして、すでに民主党はどう捌くか、要求があった場合どう対応するか、について答えを一つ見せてしまった。
対立する組織がないところからの要求は丸飲みする。それが日本にとって良いことか悪いことかには無頓着かつ無責任だ。
これが民主党が政権を握った場合の政治力学となる。支持団体べったりで言いなりだ。そしてその支持団体が反日と言って良い思想を有していても言いなりになることが明白となった。永住外国人参政権を与えた場合、その団体、つまり民団(朝鮮総連参政権を求めていないので除外される)の要求にも応じるのだろう
それが、日本のに国益につながらず、根拠も正当性もない要求であっても。


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