松嶋×町山 未公開映画を観るTV

多分東京MX以外ではやっていないんじゃないかと思われるこの番組。簡単に言うとアメリカで制作されたドキュメンタリー映画を毎週前後編で(つまり映画本編約90分〜100分?)放送する物です。
内容は政治から分類が何だかわからないものまで(「ビアポン」とか)バラエティに富んでいると共に、アメリカがいかに異常な国かを描き、そして正常な国かが分かるようになっています。
「異常な国」は、ドキュメンタリーで描かれた内容で確認できます。自由と平等の国とかいった言葉が建前どころか、「そんなもの全く存在しねぇよ」と言えるほど、汚穢と悪意と無知の国であることが分かります。
「正常な国」は、そういったものが映画として暴かれ、公開される土壌があることです。
この番組で暴かれるアメリカの真実に比べると、「スーパー・サイズ・ミー」はその姿勢やエンターテイメント性の高さはともかくテーマとして甘いし、「ボウリング・フォー・コロンバイン」は散漫な映画にしか見えません。
「キング・コーン」とか「おいしいコーヒーの真実」とか「誰が電気自動車を殺したか?」とか「いのちの食べかた」とか有名どころのドキュメンタリー系は見ているのですが(食べ物多いな…)、こういったドキュメンタリー映画を作れて発表できるって環境は日本には無い物です。「ザ・コーヴ」は上映しましたけど。
日本の場合だと「いかに特定の政治家とそれに癒着している企業は腐敗しているか」とかが堂々と映画館で上映されるみたいなものです。自国の恥や罪をさらすドキュメンタリー(しかも登場人物は存命中)は日本ではまず見られません。

ドキュメンタリーの大半はアメリカの政治とか文化とか闇とかを映像化してそれを見せるってスタンスなので、日本のTVで誰かが似たようなモノを企画してとしても、「実際の内容がこれじゃ実現不可能じゃない?」って思うようなモノです。アメリカ、正直オソロシス。

それが、なんと過去のものをネットで配信ですと。ただし有料。
http://www.matsumachi.com/

個人的にはDVD出たら買おうかと思っていたくらいですので、振り上げた札束を握った拳はホームページをクリックするマウスに落とすですよ。
面白さというか、目から鱗とか自分の知識の浅さを突きつけられる番組なんですね、それがすごくいい。

ここで取り上げられるモノがアメリカの全てではないのは言うまでもありませんが、アメリカの現実であるのも確か。北朝鮮や中国のダークサイドが天国に見えるほどの悪夢と、何とも幸せなアメリカの生の文化に触れたい人はちょっと見て欲しいのです。