セウォル号沈没事故のまとめ

上部に客室を増築して重心が上がり、

右舷ランプウェイとその昇降装置を外して重心が上がっただけではなく 左 舷側にも移動し、

復元力を維持できる貨物積載量が40%、

同要バラスト水量が198%というトンデモな改悪船舶にし、

しかもその改装を行った会社は近いサイズの船舶の改装実績がなく、

2/10-19の10日に渡って定期点検をするも問題点は見つからず、

2/25に濃霧期特別点検をしたら5項目も問題が発覚し、

それを是正したと会社が報告しても確認作業は行わず、

3月中に事故現場付近で急旋廻を起こしていて、

4/1には船長から操舵装置の異常による修理申請書が提出されてても無視し、

改悪で復元力がなくなってるのに3.6倍の過積載を行い、

トレーラー3台に至っては2台を 左 舷、1台を右舷側に配置するアンバランスな措置を取り、

さらに貨物の重量を調べて均等に配置することもせず、

車止めも4箇所ではなく2箇所だけしか行わず、

出港前の貨物安全検査が終わってから15台のSUVを乗せ、

と言うか貨物安全検査自体ただのポーズで、

と言うか荷役作業を行った会社は貨物固定作業の免許を持たず、

コンテナは固定作業をしっかりせず、

というか通常の半分のサイズのコンテナなので甲板の固定金具と位置が合わないし、

珍島交通管制センターは担当海域に入ってきて連絡をしない船にこちらから連絡もせず、

と言うかレーダー内で360度以上旋回してるのに緊急連絡も取らず、

こういったボロボロの安全管理の監査を国は全くしておらず、

出航時間がズレたにもかかわらず出港前に決めたシフトのまま経験が浅い航海士に舵を取らせ、

2/25の検査での異常の一つが非常発電機燃料タンクのレベルゲージで、

それと関係があるかはわからないけど36秒の停電を起こし、

世界的にも潮流の早さではトップ5に入る海域に、

舵の指示を左右間違えるというミスを犯しつつ、



進入した。



これを人災と言う人もいるが、すでにこれは韓国という国の「国災」と言うしかない。

船長などが契約社員(船員?)というのを問題視する向きもある。それはそれで理解できるが、唯一最後まで残り船員としての義務を全うした船員がアルバイト、ということも忘れてはならないと思う。
契約社員だから責任感に欠けていた、やる気がなかった、と言う人はアルバイトの彼女のことをどう説明するのだろう。最後まで残って救命胴衣を配り、脱出を指示した人を。
「私は皆さんが全員脱出してから逃げます」と言った「アルバイト」は契約社員より待遇としては下だったはずだ。それでも彼女は乗員の中で最も責任を認識し、しかもそれを実行した。
契約社員だから、と簡単に断じていいものではないだろう。
彼女のような人がいる以上、他の乗組員の行動は会社の待遇に依拠するものではなく、会社のあり方、あるいは個人のあり方が原因と見るべきだ。

検査の監査をすべき国、検査を実施した官、船を経営した会社、実際に操船した船員、つまりは個人。上から下まで全てが腐っていた。
いち早く危機に反応して連絡をした教頭先生や修学旅行生、子供を助けた人々、漁船で駆けつけた人々。個々では評価できる(当たり前のことをしただけではあるが)人々は存在するが、彼らが安心して生きることを保証しない社会、国。それが明確になった。

さらに言えば、自分の救命胴衣を妹に譲って死んだ兄という美談があるが、これもおかしい。
子供が子供に救命胴衣を譲らなければならない状況自体が普通の国ではありえない。大人が兄を制し、自分の救命胴衣を譲るべきだろう。
そして兄は両親を探しに行って死亡したのだが、それを止める大人もいなかった。これもおかしい。
兄と妹という状況がある程度類推できるなら、二人を一緒にしておくのが大人の役割だろう。家族を探したいと訴えられたら、代わりに探しに行くのが大人の役割だ。

兄が死んだのは周囲の大人が彼を無視したからだ。決して美談ではない。妹は確かに周囲の人々(兄を含む)に助けられた。だが、兄が死んだのは「周囲の大人が助けなかった」からだ。
これのどこが美談だろうか?