バルサミコ酢ー

一時期ほとんど一瞬だけ一世を風靡したバルサミコ酢ですが、今更はまっています。
きっかけは「食彩の王国」で紹介されていたから。和食でも使える。醤油との相性も良い。醤油との相性が良い?酢が?と思ったのですが、調理法を見ていると酢としての風味は完全に飛ばして煮詰めるのが基本らしい。
黒酢は酢の風味も味も嫌い。米酢はOK。ワインビネガーもOK。リンゴ酢もOK。そんな私の好みからすると、バルサミコ黒酢に近いのかなと思っていたのですが、煮詰めるというその一点に希望を託して購入。
最初の料理使用は鶏もも肉の照焼でした。肉の表面を揚げ焼きにしたあとフライパンに蓋をして蒸し煮にし、醤油を入れて肉汁と合わせて高温で仕上げるという調理法なので厳密には照焼ではないのですが、この醤油を入れる、の前にバルサミコを入れてみました。
立ち上る酢酸カーミンなニオイ。脳裏にはゴミ箱に捨てられてしまう鶏肉の映像が…。ところがしばらく熱していると、かなりあっけなく酢の香りは消えました。そのタイミングで醤油投入。
…コクがある。感想の第一はこれでした。似た調味料をほとんど知らないのでたとえが適当かはわかりませんが、赤ワインを煮詰めたらこんな感じ?といったコクが小さじ一杯程度のバルサミコで出ています。これは当たり。(゚Д゚)ウマー
豚のフィレの塊を焼いた物にも使ってみました。(゚Д゚)ウマー。豚特有の香りを良い感じで抑えてくれています。かといって、消してしまわない。
簡易<ジンギスカン(付けダレを使わず、タレと合わせて炒める)にも使いました。(゚Д゚)ウマー


次に使ったのが回鍋肉。今度は豆板醤と甜麺醤との激突です。調理法が難しい。豆板醤はまずフライパンでよく炒め、甜麺醤は最後の方に投入です。野菜のシャキシャキは残したいのでバルサミコの投入タイミングを誤ると、酢の香りが残って野菜がシャキシャキか、酢の香りは消えるが野菜がしんなりになってしまいます。
ここは中華の調理法に助けを借り、まずはフライパンでバルサミコを熱し、良い感じになったところで醤油と鶏ガラスープを加えてフライパンのバルサミコを別の器に洗い流します。ココに甜麺醤オイスターソースを加えて「合わせ調味料」を作り、これを最後に投入してみました。(゚Д゚)ウマー
微妙に中華な感じから外れているのですが、ご飯とも合うし文句なし。

最後はパスタソースです。王道です。本家です。カニのほぐし身とタマネギとトマトペーストで作ります。パセリやローリエパウダーを入れるのですが、いつもコクが足りないので最後に豆板醤を入れていました。←これ簡単なのでおすすめ。
豆板醤の代わりにバルサミコ投入。…黒茶色い…
中国の豆板醤は黒っぽいのですが、日本人の料理に対する感覚では「炒め煮が黒茶色い」のは敬遠されるそうで、日本でよく見る赤い豆板醤はそんな日本人に合わせて横浜中華街の達人が熟成期間を短くするなど工夫して鮮やかな赤を残したのだとか。これで大ヒット、日本に麻婆豆腐が根付いたのはこの方の貢献だそうです。
さて、日本人が感覚的に敬遠する黒茶色、そして酸っぱい香り。料理をしていてちょっと吐き気が…。
しかし、酸っぱい香りが飛ぶまで煮詰めると何とも良いにおいが。あとは煮詰めて水分が飛んだのをパスタのゆで汁でのばしたらできあがり。
いままでバルサミコ酢の導入を躊躇っていたのを大後悔!!(゚Д゚)ウマー
これからはパスタソースで肉系や貝系や魚系ではどうかを確認することになりますが、多分問題ないでしょう。
次は和食ですね。煮魚、はちょっと敷居が高いので(失敗したら目も当てられない)筍の土佐煮あたりでまずは試してみることにします。

バルサミコと思うたびにバルサ巫女と水にぷかぷか浮かびそうな褐色肌の巫女さんを思い浮かべるのはナイショです。