救急搬送システム

いつも思うのだが、救急搬送時はいくつもの病院に対して「受け入れ可能か?」と問い合わせるようになっているらしい。物凄く非効率的である。リアルタイムで利用可能な病院とそこで対応可能な治療及び検査の一覧を用意することは出来ないのだろうか?
さらに言えば、現時点では担当医がいないなどの理由で対応できないものでも、呼び出しによってn分後に対応可能といった情報もあると良いだろう。
病院に移動する途中で担当医をピックアップできるのであれば、それも積極的に利用するべきだと思う。多少遠回りになったとしても、担当医に素早く診断してもらい、病院に検査や薬の準備の連絡が出来る。
病院にはベッドの空きや宿直医の登録など今より負担を強いることになるが、自動化すれば良い。
自動化するとなるとコストが問題になるが、ベッドの空きや当直医の労働状態をデータ化することで病院側にもメリットがある。緊急治療実績や検査・治療をオープンにすることで患者側にもメリットが生まれる。
自動化として最も簡単なのはRFIDを利用することなのだが、RFIDは電磁波を使用するため、携帯と同じく病院内での使用は難しい。ゲート型のアンテナの場合、ペースメーカーや埋め込み型除細動機を使用している人は出来るだけアンテナの中央を通るようにとの指導がなされる。
余談だが、全自動麻雀卓では牌にRFIDチップを埋め込んで、卓の縁に寄せると自動でアガリ役から点数計算までしてくれる物があるそうだ。近接型のアンテナは影響を及ぼす範囲が狭いとは言え、胸に近い位置での使用は大丈夫なのだろうかなどと考えてしまった。

自動化には磁気もしくは密閉型のカードリーダーを使用して医師の情報(専門・経験等)と位置を把握し、電子カルテとの連動によってベッドの空きを管理するなど複数のシステムを統合することになるだろう。
病院間をルーチン移動する医師も多いし、他の理由で通常勤務している病院以外で当直をしている医師もいるので、医師のデータは病院単体ではなく救急搬送システムで集中管理した方が効率がよいだろう。
カードとリーダーや電子カルテとの連動システムは確かにコストの増大に結びつくが、同時に医師のスキルの把握や労働状態の把握にも繋がる。
現在の病院の経営状態を考えると、このコストを病院に負担させるのは無理だろう。同様に、自治体に負担させるのも難しいだろう。経済状態が悪化している現在では、企業の支援も得られるとは考えられない。
残るは国だが、国が関与したデータベースでまともに利用されている物や無用なコスト増大を招かないものは少ない。もっとも、これは国に限らず各所自治体で見られることだが。
例外として某佐賀市でコスト削減を目指してサムスン系列に市の基幹システムの開発を発注した。結果、50人が手直しで課税関係のデータを修正して1年目は何とか問題を起こさずに済んだが、翌年は税額を誤って増額するというバグが発覚した(バグは修正)。
おそらく1年目でバグは発覚していたのだろう。だからこそ50人ものサムスンSDSの社員が手作業でデータを修正することになった。何故1年間放置したのかも疑問だが、バグがあることが分かっている「基幹」システムを稼働させること自体が異常である。50人の給料がどこから出ていたかも疑問。
無用なコスト増大も問題だが、削ってはいけないところもあるという話である。50人の給料を市が払っていたとしたらコスト削減も今ひとつの効果だったに違いない。

周産期と他の救急では対応が違うらしいが、これも無駄である。統一した方が自動化のコストも安く済むしバグも出にくい。

医療の現場ではシステム化して問題になることもあるが、システム化した方が絶対的に効率的かつ効果的である部分もある。病院間のネットワークが事実上存在しない現在、考慮に値することだと思う。

どうでもいい話。
筑紫哲也氏死去。73歳。
あ、もうWikiにあがってる。