ラマダーンは長寿の元

断食は長生きのもと?線虫の寿命1・5倍に、京大が実験
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081215-OYT1T00294.htm?from=navr
断食繰り返しで虫の寿命延長
http://www3.nhk.or.jp/news/t10015998101000.html
「繰り返し断食」いきいき長寿? 遺伝子のおかげです
http://www.asahi.com/science/update/1215/OSK200812150050.html
寿命延長の鍵となる遺伝子確認 京大チーム
http://sankei.jp.msn.com/science/science/081215/scn0812150739000-n1.htm

低カロリー食にすると、ほぼ全ての生物の寿命が30〜50%伸びることは確認されていた。しかし摂取する総カロリーが同じでも一定期間飢餓状態にすることでも同様の効果があり、しかもその現象に関与している遺伝子が特定された、というニュース。
各ページを見比べると、微妙にニュースの内容が違うことがわかる。一番詳しく書いているのは朝日新聞。一番的確な記事を書いているのは産経新聞。一番的はずれなのは読売新聞。最悪なのは載せてもいない毎日新聞。これをアップするまでには載るかな?

事前に寿命研究の調査をしていた、低カロリー実験のことを知っていた、取材をしっかりした、取材した内容を正しく理解した、色々な要素が科学記事には必要だが、産経新聞朝日新聞はどちらも十分持っていたようだ。
毎日新聞は昔から科学記事の内容が???なことが多く、他の新聞の記事と併せて初めて内容が理解できることが多かった。昔は他の新聞社もそれほど科学記事の質は高くなかったのだが、ここ数年で変わってきたようだ。
2ちゃんねるに行って「要するにこの記事どういうこと?」と聞くと優しい人が懇切丁寧に解説してくれるので、全くわからない記事はそうしていたが、最近はその必要もなくなっていたので各新聞社の科学記事の質の向上は確かなことなのだろう。

最低でも日経サイエンスレベルの一般向け科学啓蒙書は読んでいないと最近の科学に関する記事は書けないだろう。多分ニュートンだと…。そう言えばオムニが懐かしいな。
日経サイエンスの場合、主に科学ライターが記事を書いているので読みやすい。記事の構成も[基礎知識]-[記事の主題]-[研究秘話や関連資料や反論]-[将来の展望]とわかりやすい。時々研究者本人が記事を書くこともあるが、その場合もとても読みやすい。一番印象に残っているのはL.V.ハウ教授が書いた「光を止める物理学」だ。

特定の状況下に置いたナトリウムは特定の波長のレーザーに対して透明になるが、ナトリウムの状態を変えると即座に透明ではなくなる。この時ナトリウムの中に囚われた状態になるレーザーはそのエネルギーをナトリウム原子に与え、原子を励起状態にする。
ここで再度透明になるようにする(別の波長のレーザーを照射すると透明になる)と、ナトリウム原子は励起状態から元に戻るために光を発する(そのためのエネルギーは透明にするためのレーザーからもらう)。
ナトリウムに入れたレーザーをパルスにしておくと、出てくるレーザーもそのパルスを保存している。つまりナトリウム原子塊の中にレーザーの情報が保存され(これを「光を止める」と表現している)、時間をおいて取り出すことが出来る、というもの。

私が何を書いているのかわからないでしょ?これが力のある新聞記者と素人の差なわけです(笑)

違う視点から見ると、新聞に書かれている記事は思っているよりいい加減というか、記者の力量によってどうにでもできるということを科学記事は如実に示しているわけです。意図しない形で、ですが。
毎日変態新聞と呼ばれるきっかけになった記事群はその象徴ですが、もっと細かい部分で色々と操作されていることはもはや多くの人が認識している事実。
科学記事という客観性が非常に高いものからも、色々と見えてくるモノはあるのですね。

そして毎日新聞はまだHPに載せていない、と。